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2018年マン島TT TTZERO 結果報告とパイクス参戦について

代表のキッシーです!

帰国して丸1週間以上経ちましたね。

結果報告が大変遅くなって申し訳ございません!

改めまして2018年マン島TT TTZEROの結果をご報告です!
(メールやフェローメーリングなどで重複する部分はご容赦願います)


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参戦クラス:TTZEROクラス
(エントリー台数:14台)
ライダー:イアン・ロッカー
監督・テストライダー:岸本ヨシヒロ

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マシン:韋駄天X(IDATEAN-X)

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(photo:takeshi yamashita)

決勝結果:リタイア
(完走6台)

今回はプラクティスからPU(インバーター)やバッテリーのトラブルが相次ぎ、プラクティスで今まで経験のしたことないような領域でバッテリーを過放電してしまうなどトラブルが続きました。
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(photo:Yusaku mitsuwaka)

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バッテリーをすべてチェックしセルバランスの落ちたバッテリーを交換をして、翌日引き続いて行われるプラクティスに備えます。

しかし、1回目の走行で他のバッテリーも過放電を経験しているためかセルの1つが内部短絡をおこし煙が上がり、イアンさんはマシンを停止してくれました。

車載カメラから解析したところ、煙(水素ガス)が上がり、消防士さんがバッテリーを外そうとしてくれた時にプラスとマイナスが接触、火花が出てガスに着火してしまいました。
(ガス自体の空気中の「発火点」は527℃なんですが水素ガスは火花など火気で「着火」しやすい)幸いすぐに消火してくれたおかげマシンの損傷は最小限でした。

しかし、残念ながら前回の轍を踏まえて一番高価なリチウムバッテリーはすべて廃棄の手順を経て処分することになりました。

マシンを全バラにし、消化剤を落としマシンを洗浄します。

しかしバッテリーが調達出来ません。
調達する時間もコストもたいへんなものです。

いよいよリタイアしかないと思った時にノッティンガム大学からバッテリーを借りることが出来きました。
ロバート先生ありがとうございました!
先生とは何年か前ブルーネル大学とコラボレーションした時からの付き合いで先生がノッティンガム大学に転職して昨年のパイクスで再会して同じレースを戦った中です。
その競争相手からで彼らもトラブルを抱えているのにも関わらず自分たちを助けてくれました。
そして彼らは決勝で2位という素晴らしい順位を獲得しました。心から敬意を表します。
Special Thnaks,Nottingham university & Robert.
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(photo:Yusaku mitsuwaka)

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(ノッティンガム大学では大型冷蔵庫をピットに持ち込んでおり野外のピットでもセルの保存状況は良好)

バッテリーをばらしていいバランスのものを選別、1つ1つ組んで行かなければいけませんが、今回はソフト関係でテクニカルスポンサーのプロトタイプさんが5名も助っ人で来てくれていたこともあり人海戦術です。
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もちろん皆さん、ハンダ作業は出来るもののバッテリーの作業などしたことはありません。しかし理解力や飲み込みが早くものすごい戦力になってくれました。ありがとうございます。

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通常は一ヶ月はかかる作業を2日間でやり終えます。

決勝を走れるようになり、ピット準備も進めます。
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充電もギリギリ間に合いました。

走行前に受ける安全基準などをチェックされる車検を受けると・・・

全電源を統括するコンタクタスイッチが入りません。
当初はコンタクタ本体の故障かと思い、大学チームから本体を借りました。・・・が動きません。

テスタを本体や配線に当てても異常ありません。
すわ車検落ちかと思われましたが、時間ギリギリで本体ではなく配線の中のカプラの接触不良だと判明。

カプラの中を見ると消化剤が中に入り込んで絶縁の役割をしていました。
カプラを交換すると問題なく基準をクリア。車検をパスします。

グリッドにバイクを並べて緊張のスタートを待ちます。
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イアンさんスタート!
何とか走れたものの・・・コースの1/3、ゲレンヘレンを抜けた先のストレート部分でマシンが止まりました。
あとの解析でウォーターポンプのトラブルで水温が上がり、PUの安全装置が働いたためだとわかりました。
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上記の経過は下記にYOTUBE動画を纏めましたのでご覧になることが出来ます。
(満若ディレクター、ありがとう!)

・2018/05/30 練習走行前 ジャービーでのテスト走行

・2018/05/31 マン島 TT TTZERO プラクティス2(走行1回目)

・2018/06/01 マン島TT TTZERO プラクティス3(走行2回目)

・2018/06/05TEAM MIRAI 韋駄天X 復旧作業

・2018/06/06TEAM MIRAI 2018マン島TT TTZERO 決勝レース

・2018 TEAM MIRAI TTZERO マン島TT レース後 代表 コメント

EVの要であるモーターやPUを水冷化。
台上テストや実走テスト段階からこれでもかというくらい様々なトラブルや課題を経験をしてきました。

1つ1つチーム全体で課題に取り組んで全力で挑んだもののいくつか克服出来ず、決勝を完走出来なかったことは大変残念です。

いい結果を持って帰れなかったことは、応援して頂いた皆さんに大変申し訳なく思います。

そして、今月末のアメリカのPPIHCにも参戦すべく帰国してからもバッテリーの調達を試みていましたが、

・バッテリーは製造から始めなければいけないので時間的に間に合わないということ
・PU(インバーター)制御に課題があること

上記の主な理由で非常に残念ですが、

自身が乗る予定だった2018年度のPPIHC(パイクス)は出場を見合わせることにしました。

持てる力をすべて出し切り、重要部品をTEAM MIRAIと協力してくださる会社さんで製作、全力で戦いましたが今年のTTレースは走りきることが出来ませんでした。

またその後のPPIHCにまで影響を与えてしまい大変申し訳ないです。

パイクスの事務局に連絡したその瞬間自分自身もすべてのバッテリーを使い果たしたように力が抜けていくのがわかりました。

合戦に挑むような気持ちで海外のレースに行っていますが、その差配と敗戦の責任者として武士ならばここで切腹です。
今回は故松下選手の弔い合戦どころか、「岸本君、準備不足だよ〜!もう一度出直しておいでよ〜」と言われたような気持ちです。

今後どうするのか?困難だと知りつつ道を切り拓いて進めていくのか退くのか決めなければいけません。

失敗をしてよいという気持ちはまったくありませんが・・・

今回の「失敗」や「経験」を通してより安全で速く、乗りやすいEVレーサーの開発を続けていきたいです。

マシン自体のハンドリングやアクセレーションはイアンさんからも評価を頂き、自分も今年のマシン「韋駄天X」は出力特性さえ定まれば本当にいいマシンだと思います。
最後にマシンが止まったのも安全装置が働いているからこそ。

既製品はいろいろなメーカーのものをテストをさせて頂いていて、幾度か危ない目にも合っていますが、一緒に開発しているYPUのPUは安全性が高いです。
ただ、安全性が高い上の制御の難しさがあります。

「韋駄天X」に再度対策やテストをして課題を克服して本来の車体のパフォーマンスを発揮させたいと考えております。

またTTに出場したことによって他のEVレースや製作に関するお話を頂きはじめています。

今年関わって頂いたテクニカルスポンサーは40社以上。
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それぞれの考えや関わり方も協賛割引から物品提供スポンサー、サポート金のご提供まで様々です。

全員にご連絡やご挨拶するのはかないませんでしたが、ありがたいことに敗戦の将である自分に対して来年も続けて欲しいとご協力のお言葉をたくさん頂きました。

また今年のレースに挑戦出来たのは上記のテクニカルスポンサー様やいうまでもなく年間を通して応援をしてくださるフェローの皆さんや今回募集させて頂きました個人スポンサー様方のおかげです。
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(20180606版)

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今後の他のレース予定なども含めて詳しいことは、またご訪問させて頂いたり、参戦報告会(7月にさせて頂こうと考えてします)やツイッター・ブログ等でまたご連絡させて頂きます。

最後になりましたが今年コラボレーションして頂きましたILR(イアンロッカーレーシング)の皆さん、イアンさん、奥さんの淺田さんには本当にお世話になりました。
コラボどころかお世話になりっぱなしでした。イアンさんはマシンに関しても本当に嫌な顔ひとつせず楽しそうにそして真剣に乗ってくれました。イアンさんと淺田さんのレースへの取り組みは本当に尊敬出来ます。
ありがとうございました!

参戦記も少しづつ書いていければと思います。

取り急ぎ皆さまにお礼とご報告とお詫び申し上げます。

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本当に結果は悔しいです!ですが・・・みんな耐えに堪えて最後は笑顔で。期間中同じ宿で過ごした山下カメラマンにスタッフ集合写真を撮って頂きました。皆さまこんな自分ですが・・・引き続き応援の程よろしくお願いいたします!

TEAM MIRAI 代表 岸本ヨシヒロ

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