INFORMATION

「2013年度マン島TT TTzeroクラスを終えて」

マン島TTのレースを終えて帰国してからちょうど3週間経ちました。

このレースの総括をしなければいけないと思いつつも、
自分のすべての力を注ぎこんだため、レースを終えた後に気持ちの整理をつけるのに時間が
かかってしまい申し訳ありませんでした。

2013年度、「KOMATTI-MIRAI RACING TEAM」の挑戦。

まとめます!

結果:6位完走

下記、詳しいレース結果です。

5/31(木) 予選① 7位 タイム:30分23秒633
6/1 (土) 予選② 5位 タイム:30分22秒822
6/3 (月) 予選③ 7位 タイム:28分12秒376
6/5 (水) 決勝  6位 タイム:27分46秒300

決勝リザルト 
1位 20:38 E1PC/Motoczysz
2位 20:40 Shinden /Muen
3位 25:02 RW-2/Ohio State University
4位 25:41 Kingston University
5位 26:59 Yamaha R6E/Vecarmoto
6位 27:46 KM-1S/KOMATTI-MIRAI
7位 31:26 Imperial
8位 31:33 Brunel BX/BrunelUniversity

(以上が完走チーム 2台リタイア)

今年のマシン「TT零13(KM-1S)」はモーターやブラシ、車軸、カウル、モーター冷却方法、
配線など改良を重ね、昨年課題があった箇所の信頼性を高めました。

そのおかげもあり、一度のトラブルもなく決勝を走り切りました。
空冷モーターではトップという成績で終えることが出来ました(上位はすべて水冷か油冷)。

私が2011年にTeam Prozzaで参戦した時は32分23秒、昨年はKOMATTI-MIRAIで4位走行中リタイアでした。
今年のマシンの仕上がりは上位2台とのとのタイム差はありますが、一定の評価をしてもいいのではないかと思います。

非常に残念だったのはこのマシンに一度も乗ることなく松下選手がプラクティスの事故で亡くなったことです。

彼は非常にマルチな才能のあるライダーで自分自身の応援チームを持ち、自分でマネジメントをしながら、
私たちを含めマン島TTに参戦する排気量・マシンキャラクターの異なる3チームのバイクに乗るということでした。。
電動はもちろんのこと600CCや1000CCのバイクでも排気量や改造範囲によってハンドリングも異なり、乗り方も異なります。
もちろんコミュニケーションも3チーム分しなければいけないわけですから大変です。
活動的でアクティブな反面、そんなにいろいろ乗って大丈夫かなと思うくらいでした。

彼とは私がニュージーランドの公道レースに出場していた縁で知り合い、
彼がマン島TTにエンジンバイクで挑戦すると聞き、2011年のTeam PROZZAの参戦から
2012年のTeam MIRAIへと続く、電動バイクに乗ってもらっていました。
お互いにライダーとしてもライバルでしたが日本のチームで日本人ライダーで勝つことを目標にしていました。
今は私はチーム運営と仕事で手一杯ですが、余裕が出来たら私と松下さんの2台体制で一緒に出ようよと誘われていたのを思い出します。

彼は今年でTTを引退するという話でしたが、実はTTZEROクラスだけは来年もやりたいからお願いねと言われていました。

彼といつか一緒に走りたかったです。非常に残念でなりません。

訃報を聞いた時はイギリスのBrunel大学でバイクの受け取りやマシンの整備、マン島へフェリーで渡る準備をしてました。
電動バイクのプラクティスの日程は遅いので今回は現地テストも行わず滞在を減らしてギリギリの日程で調整をしていました。

撤退するのか、レースを続けるためにマン島に渡るのか。

たくさんのやらなければいけないことに追われながら、どうしますか?
そう聞かれて自分がどうするのかを決断しなければいけません。

マン島に渡り、レースをやらないでセレモニー的にデモランやグリットにバイクだけ並べるという方法もあります。

松下さんとは毎年、事故をした時のことを話あっていて、事故をした場合でもチームはレースを続けてほしいということでした。
でもそんなことがないようにしようねと確認し合っていました。

いろいろなことを考えましたが、最終的には我々はレースを諦めない、続けると決断しました。

レースで手加減なしにやるわけですから完走できなかったりバイクが壊れた場合のチーム的なリスクは大変大きいです。

しかし、マン島TTのキーワードは「挑戦(チャレンジ)」です。

出来るとすれば「今」しかないはず。今年のマシンの仕上がりは絶対にいいはず。

日本でのテストで感触はつかめていたのでマン島でそれを実証したい。

彼の友人であったイアンロッカー氏に代走をお願いし、
遅れていた作業を取戻しチーム一丸となって頑張ってマシンを走らせました。

ロッカー氏は電動バイクに乗ったのは初めてでしたが、思いのほかよく走ったとのことで
相当おもしろかったようです。

コメントも的確でマシンを調整していきます。
タイムもどんどん上がっていきました。

結果、3回の予選を含め、一度のトラブルもなく4回とも無事ゴールラインにマシンを運び、
6位完走という結果を得ることが出来ました。
松下さんも喜んでくれていると思います。

今年初めてコラボしたレーシングミクカラーのカウリングもすぐに人だかりが出来るくらい大人気でした。
マン島TT史上初めて痛単車(萌単車)が走ったそうです
海外での注目度も高く、デジタルの要素が融合した新しい日本の文化が受け入れられた気がします。

ミクを応援する方々にも応援して頂き、多くの励ましとお力を頂けましたこと感謝致します。
ツイッターでの交流も楽しかったです。

また昨年から個人スポンサーを継続してMIRAIを応援して頂く方も多く、すごく励みになりました。

今後は来年へ向けてまたチャレンジが始まっています。

正直、上位とのタイム差は悔しいです。

しかし、ここまで続けてきて、我々の目指すマシンの方向性が見えてきています。
おそらくこのユニットでも詰めれる余地はあるので最終的には25分台に入るくらいだと思います。

上位陣とはいい素材を用意出来るか出来ないかの資金的な違いは、正直あります。

しかし、諦めることなくやらまいか精神で物事を工夫して、次はもっと速くてハンドリングのよいマシンを製作したいです。

今後とも応援して頂ける方々とともにチームの成長の喜びを共有していけるようなレーシングチームを作っていきたいです。

今年コラボレーションしたグットスマイルレーシングさんとも今年はバタバタ感がありましたが、
条件等が折り合えば来年も是非ともコラボレーションをやってみたいですね。

そして電動バイクのよさを、もっともっと広めたいと考えております。

我々は、皆様のお力添えとともに全力で走りチーム一丸となって電動バイクレースでの活動を更に強く進めて参ります。

言葉に言い表せない程の沢山のお力添えにと私ども一同、みなさまに大変感謝しています。

この度は誠にありがとうございました。

TEAM KOMATTIーMIRAI RACING 代表 岸本ヨシヒロ


RECOMMEND

MIRAI WEB SHP
GALLERY
EV MIRAI ABOUT US
SPONSORS

MIRAIへのお問い合わせはこちらから

電動バイクのご質問やお仕事のご依頼などお気軽にお問い合わせください。