皆様方のご協力のもと、レースを終え無事にスタッフ全員帰国致しましたこと、まずは心より感謝いたします。誠にありがとうございました。

私(弊社代表岸本)が日本からユーラシア大陸を通り越したマン島という地で電動バイクによるレースがあると知ったのは2009年のことでした。

当初はこんなに先進性に富んでいておもしろいレースなのに日本からの出場がないのは何故なんだろうと思いました。
どこもやらないならやろう。
当初はこういった気持ちが先行していたように思います。
アップダウンに富むコース1周60キロを全開で駆け抜けられるだけのパワーとバッテリー容量、そのバランス。そのチョイスが非常に難しい。
現地で車などで走ってみると解りますが公道レースの経験がある自分であっても絶句するコースです。たった1周のレースですが例えるなら、まさにアドベンチャー。
まさに開発途上にあるEVバイクにとっての試練の場になると直感的に思いました。
また決勝のグリッドにバイクを持って来るまで、製作準備、テストなどたくさんの越えなければいけない壁やポイントもあります。
また多くの人をまとめる統率力・スケジューリング・コスト計算能力・運の強さも試されます。

2008年と2010年に私がニュージーランドの公道レースに参戦した時にブリッテンというバイクを見た時にバイクは買うものという既成概念は打破されました。「望むバイクがなければ作ろう」
我々のような小企業が電動バイクを開発することによって世界に挑戦する姿はまさにベンチャーと言えます。
これに刺激を受けた他分野のいろいろなメーカーが出てきてくれて切磋琢磨し、いい意味で電動バイク業界が活性化するのではないかと思います。

今後ともレースで得た経験を生かし、電動バイクの開発に生かしていく所存です。
マン島TTは終わりましたがMIRAIの挑戦は終わりません。
今後皆様に満足して乗って頂けるような新しい車両及び製品開発に努めて参ります。なにとぞ引き続き皆様方のご声援、ご協力の程よろしくお願い致します。 
株式会社MIRAI 岸本ヨシヒロ

カエル
今回KOMATTI-MIRAIのチームシャツにカエルのキャラクターを使用しているのには意味がある。
・カエルのキャラクターはライダーはもちろんスタッフ全員が無事帰ることを祈念している(平将門の首塚のエピソードから)
・カエルが元気よく胸ポケットから飛び出しているのは、井の中の蛙から飛び出して既成概念に捕らわれず大きな世界に出るという決意表明(中国の古典 『荘子』のエピソードから)
この内容をデザイナーのアラカワさんに伝えデザインをして頂きました。
そんなことを雑談の中でホンダチームのOBの方に話したら井の中の蛙のエピソードはホンダがマン島TTに出場した初期のころにあったそうです。こちらに掲載しています。
http://www.honda.co.jp/Racing/race2002/manx/menu2_2.html

今回バイクがゴールラインを通過出来なかったのは本当に悔しい。今の日本は当時とは社会環境が違い趣味趣向が多様化している中、起業して勝負するのは難しいかもしれない。来年はきゃんきゃん泣いているかもしれない。しかし、どこまで自分の思い込みという枠を取って世界という大海の中で勝負していけるか。今後ともMIRAI(未来)をどう創っていけるか見て頂ければ幸いです。